その5 1日め・かなりマトモな京都観光(戦慄のお寺編)

 
「はじめてのおつかい」以上にハラハラドキドキしっちゃかめっちゃか視聴率20%台確定(無理)の大冒険の果てにOと合流。とりあえず本日の最大の目的が達成できたんでひと安心。あらためてまわりの様子を見てみる。う〜ん、産寧坂(さんねいざか)ってホント、日本じゅう探しても間違いなく京都にしかないって雰囲気の通りだよね。幅5メートル前後の通りの全部が石段ないし石畳になってて、自動車は通行できない。通り沿いには焼き物(清水焼かな?)屋さんや漬け物屋さん、料亭などいろいろなお店が軒を連ねているが、そのどれもが純和風の作り。Oはお寺での仕事(イベントの受付をやってたとか)を終えて直接来てくれたのでスーツ姿なのだが、この通りの風景の中ではピシっとしたスーツ姿には明らかに違和感を感じてしまう(もちろん僕自身も洋服だからそう見えるんだろうけど)。それくらい強烈な「和」の雰囲気。はぁ〜、日本にはまだこういう所があるんだねぇ(大げさ?)。

O:「中学の友達が京都の街にいるって、なんか信じられ〜ん」
Oはそう言って笑っているが、その感想
そっくりそのまま返してやろう。僕たちから見ると、Oがこの由緒ある街並みの中で社会人として働いてるほうがよっぽど不思議だ。バカ話をしたり京都についての話を聞いたりしながら産寧坂を過ぎ、二年坂を通って高台寺へ。そういえばチケットがあったよね、と出そうとすると、
O:「いいよいいよ」
そのままOはすたすた歩いていく。職場だけあって顔パスがきくらしい。Fと僕もあとに続いてお寺の門をくぐる。

 順路に従って高台寺の敷地内を回っていくのだが、途中で仕事をしている人に会うたびにOがあいさつしている。
仕事中の女性:「おつかれさま、あら、お友達?」
O:「ええ、中学の。おつかれさまです♪」
ってふうに。それが1度や2度ならなんてことはないんだけど、その数がハンパじゃないからビビった。とにかくお寺の中で会う人会う人が
ことごとくOの知り合い。会社の人お寺の人とフレンドリーかつジェントリーに言葉を交わし、まるで自分ちの庭のような感覚で威風堂々と(ホメ過ぎ)歩いていくOの後ろで、
F:「なんか……O、すごい……」

萎縮しまくっている九州人2名。
秋の夕暮れの陽射しの中、庭園や茶室、豊臣秀吉の妻のねねが埋葬されているお堂など滅多に見られないものをいろいろと見て回ることができたけど(しかもタダで)、Fと僕がいちばん感銘を受けたのは……O、アナタの凛々しい後ろ姿でした(これもホメ過ぎ)。ここに来るまでの数々の無礼極まりない疑心暗鬼ゲスの勘ぐりその他もろもろ、まとめて心よりお詫びいたします。すまぬ(またあっさり!)。

 高台寺を出る。
O:「私のなわばりはここまで。さぁ、これからどこに行こうか?」
ついに来たな、その質問。Fと僕は間髪いれず即答。
F&僕:「お坊さんショップ!」
新幹線で地図の中に名前を見つけた瞬間、
「なにはさて置いてもここは絶対行きたい!」
と満場(2名)一致でノミネートされた名所(?)がこのショップ。ちなみにそれ以外は行きたい場所を思いつかなかったというのはOには秘密にしておいてほしい。お坊さんショップ……いったいどんなお店なのか何が売っているのか皆目見当つかないが、おバカアンテナに
ザクザク刺さりまくるその名前とほのかに香り立つ怪しさがノミネート理由。冗談半分どころか9割がたネタだったんで、
O:「はぁ!? なにそれ?」
と即刻却下されると思いきや……
O:
「うん、わかった、行こう!」
さすがおバカ仲間、話がわかる♪……にしても、ずいぶんとあっさりなリアクション、なんでだろ? テンション上げつつも少し疑問が残るままついて行く。Oは迷うことなく高台寺の近くにあるお店に入り、
O:「こんにちわ、
おつかれさまです♪
お店の人:「あら、おつかれさま。
今日はどうしたの?
……ここもアンタのなわばりかいっ!

 業界人(?)Oの話によると、ここはお寺で使われてる作務衣などのグッズを観光客向けに販売するお店なんだとか。なるほどねぇと見ていると、なんともステキグッズを発見。その名を
「住職さんキーホルダー」。デフォルメされたかわいらしいお坊さんキーホルダーなんだけど、ただのキーホルダーだと思ったら大間違い。ヒゲのお坊さんに白髪のお坊さん、はたまたメガネのお坊さんとバリエーション豊富に取り揃えております状態なのは決してコレクター心を刺激して買わせるためではない。なんと、それぞれのキーホルダーにちゃんとモデルとなった方々がいらっしゃるんですねぇ。親鸞とか空海とか一休とか歴史上有名なお坊さん? 違います、この近辺のお寺の現役の住職さんたちです。
僕:「芸能人じゃないんだからさ!」
突っ込まずにはいられません。……京都お寺業界、恐るべし。ショックのあまりキーホルダーの購入はお見送りとさせていただく。

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