学校教育法施行令の一部を改正する政令案について(意見募集)(平成13年12月26日 募集)

 文部科学省ホームページ中、「パブリックコメント・意見」のページより抜粋

 学校教育法施行令の一部改正に関するパブリックコメント(意見提出手続)を以下のように実施します。

   文部科学省では、平成13年1月の21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議の最終報告を踏まえ、学校教育法施行令に規定される盲学校、聾学校及び養護学校の対象となる障害の程度及び就学手続きについて一部改正を行う予定です。

   本改正は、社会のノーマライゼーションの進展や教育の地方分権の観点から、障害のある児童生徒の教育的ニーズに応じた適切な教育が行われるよう、国が定める盲学校、聾学校及び養護学校の対象となる障害の基準について医学や科学技術の進歩等を踏まえて見直すとともに、市町村教育委員会が行う就学事務について国が定める手続きの弾力化を図るためのものです。

   本件について御意見等がございましたら、下記の要領にて御提出下さい。また、いただいた御意見に対する個別の回答は致しかねますので、その旨御了承願います。

・御意見提出期限      平成14年1月16日(水)(必着)

・御意見提出方法      郵便・電子メール
   (電話・FAXによる御意見の受付は致しかねますので、あらかじめ御了承下さい)

・御意見提出先
   文部科学省初等中等教育局特別支援教育課企画調査係
   1008959 東京都千代田区霞が関3−2−2

・電子メールによる場合   メールアドレス:tokubetu@mext.go.jp
   
判別のため、題名に【パブコメ意見】と必ずお書きください。添付ファイルでの送付はご遠慮ください。

・御意見提出様式
   学校教育法施行令の一部を改正する政令案に対する意見
      1.氏名
      2.会社名/部署名若しくは学校名又は職業
      3.住所
      4.電話番号
      5.意見

   ※なお、御提出いただいた御意見(記載内容)は、御住所、電話番号を除き全て公表される可能性があることを御承知おきください。

本パブリックコメントについては、点字による情報提供も行っております。
お問い合わせ先:(財)障害児教育財団 
0468-48-4121(内線216)
    
なお、各県の点字図書館においても閲覧可能となるようにお願いしております。

【学教法施行令の改正内容について】

T.盲・聾・養護学校の対象となる障害の程度に関する基準の改正

(第22条の3の表関連)

区分 程度
盲者 両眼の視力がおおむね〇・三未満又は視力以外の障害が高度なもので、拡大鏡等を使用しても文字等を認識することが不可能又は著しく困難な程度のもの
聾者 両耳の聴力レベルがおおむね六〇デシベル以上のもので、補聴器等を使用しても通常の話声を理解することが不可能又は著しく困難な程度のもの
知的障害者    知的発達の遅滞の程度が、意思疎通が困難で日常生活において支障があり援助を必要とする程度のもの
   前号の程度未満で、社会生活に適応することが著しく困難なもの
肢体不自由者    肢体不自由の状態が、補装具を使用しても歩行等日常生活における基本的な動作が不可能又は困難な程度のもの
   前号の程度未満で、常時の医学的な観察指導を必要とする程度のもの
病弱者    疾患の状態(慢性の呼吸器系疾患等)が、継続して医療又は生活規制を必要とする程度のもの
   身体虚弱の状態が、継続して生活規制を必要とする程度のもの

   学校教育法第71条の2において、盲・聾・養護学校の対象となる盲者、聾者、知的障害者、肢体不自由者、病弱者の心身の故障の程度は政令で定めることとなっている。

U.就学手続の改正

1.入学期日の通知

 @就学予定者のうち基準に該当しない者に加えて、A基準に該当しても、その障害の状態に照らして、小学校又は中学校において適切な教育を受けることができる特別の事情があると認める者について、市町村教育委員会が小・中学校の入学期日を通知をするための規定を整備する。

1)    市町村の教育委員会は、就学予定者のうち、盲者(強度の弱視者を含む。)、聾者(強度の難聴者を含む。)、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。)で、その心身の故障が、第22条の3の表各項に規定する程度のもの(以下「盲者等」という。)について、都道府県の教育委員会に対し、盲・聾・養護学校に就学することが適当であると認める旨を通知する。ただし、上記Aに該当する者については、この限りでない。
2)    市町村の教育委員会は、盲者等以外の者及び盲者等のうち、その者の心身の故障の状態に照らして、小学校又は中学校において適切な教育を受けることができる特別の事情があると市町村の教育委員会が認める者(*)について、その保護者に対し小・中学校の入学期日を通知する。
(第5条及び第11条関連)
(*)上記Aの者に同じ               

2.就学指導委員会等

 現在、就学指導に当たって、障害の種類、程度等の判断について専門的立場から調査・審議を行うために就学指導委員会が設置されている。今回の就学指導に係る制度の見直しに伴い、このような就学指導委員会について、その位置付けの一層の明確化を図るため、規定を整備する。

  市町村の教育委員会は、盲・聾・養護学校への就学についての通知を行おうとするときは、教育学、医学、心理学その他の心身の故障のある児童生徒の就学に関する専門的知識を有する者の意見を聴くものとする。      (新規)

3.障害の状態の変化に伴う就学先変更の手続

 現行制度上、児童生徒の障害の状態の変化に応じて、適切な教育が受けられるように就学先の変更の手続きが設けられている。具体的には、その障害が基準に該当した場合又は該当しなくなった場合に、就学先の校長が市町村又は都道府県の教育委員会に連絡し、教育委員会の判断により新たな就学先が定まる。
   今般の制度改正により、上記1.のAに該当する場合又は該当しなくなった場合等について就学先変更の手続きを整理する。

注)
1.
   平成15年度就学予定者から新制度を適用する予定です。
2.
   上記の記述は、改正の内容を示すことを目的に作成したものであり、用語等については今後修正される可能性があります。
3.
   今回の制度の見直しは、これまで市町村教育委員会が行ってきた就学に関する措置や、現在小・中学校に在籍している児童生徒の就学状況を変更するものではありません。

○学校教育法施行令(現行:抄)

   (盲者等の心身の故障の程度)
22条の3      法第71条の2の政令で定める盲者、聾者又は知的障害者、肢体不自由者若しくは病弱者の心身の故障の程度は、次の表に掲げるとおりとする。

区分 心身の故障の程度
盲者    両眼の視力が0.1未満のもの
   両眼の視力が0.1以上0.3未満のもの又は視力以外の視機能障害が高度のもののうち、点字による教育を必要とするもの又は将来点字による教育を必要とすることとなると認められるもの
聾者    両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
   両耳の聴力レベルが100デシベル未満60デシベル以上のもののうち、補聴器の使用によっても通常の話声を解することが不可能又は著しく困難な程度のもの
知的障害者    知的発達の遅滞の程度が中度以上のもの
   知的発達の遅滞の程度が軽度のもののうち、社会的適応性が特に乏しいもの
肢体不自由者    体幹の機能の障害が体幹を支持することが不可能又は困難な程度のもの
   上肢の機能の障害が筆記をすることが不可能又は困難な程度のもの
   下肢の機能の障害が歩行をすることが不可能又は困難な程度のもの
   前三号に掲げるもののほか、肢体の機能の障害がこれらと同程度以上のもの
   肢体の機能の障害が前各号に掲げる程度に達しないもののうち、6月以上の医学的観察指導を必要とする程度のもの
病弱者    慢性の胸部疾患、心臓疾患、腎臓疾患等の状態が6月以上の医療又は生活規制を必要とする程度のもの
   身体虚弱の状態が6月以上の生活規制を必要とする程度のもの
備考       視力の測定は、万国式試視力表によるものとし、屈折異常があるものについては、矯正視力によって測定する。
   聴力の測定は、日本工業規格によるオージオメータによる。
就学指導の見直しについて
1.    文部科学省では、社会のノーマライゼーションの進展や障害の重度・重複化、教育の地方分権など特殊教育をめぐる状況の変化を踏まえ、平成12年度に21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究を行い、本年1月に最終報告をまとめました。
2.    最終報告における提言内容等
  (1) 盲・聾・養護学校の対象となる障害の程度の改正について
盲・聾・養護学校の対象となる障害の種類、程度に関する基準については、政令で定められていますが、近年、医学や科学技術の進歩等により、実態に合わなくなっています。
(例)
   @   視覚・聴覚障害教育の分野では、高性能の視覚補助具や補聴器等の著しい改善・進歩により基準に該当する程度の障害であっても通常の学校で教育を受けることが可能な場合があります。
   A   肢体不自由教育の分野では、義手により筆記の代替が可能となり通常の学校に行くケースも生じています。
  (2) 就学手続きの見直しについて
近年、エレベーターやスロープ等の学校施設のバリアフリー化等により、小・中学校において適切な教育を受けることができると考えられる特別な場合が生じています。
(例)
   @   車いすを利用する児童生徒がエレベータ、スロープが整備されている学校に就学する場合
   A   コンピュータ等を活用して意思表示が可能な児童生徒が、そのような情報機器を整備している学校に就学する場合
  (3) このため、具体的には、@医学、科学技術の進歩等の観点から学校教育法施行令に規定する障害の程度を見直すとともに、A市町村教育委員会がその地域や学校の状況、児童生徒への支援の内容、本人や保護者等の意見等を踏まえて総合的な判断を行い、小・中学校において適切な教育を受けることができる特別な場合には、小・中学校に受け入れることができるように就学手続きを見直す必要があります。
  (4) また、就学指導において、児童生徒の障害の程度等を専門的見地から適切に判断する就学指導委員会は今後とも必要であり、その位置づけを明らかにする必要があります。
3.    文部科学省としては、最終報告の提言を踏まえ、医師、教育委員会、学校関係者等の意見を聞きながら検討を行い、平成13年度内に必要な制度の見直しを行い、平成15年4月の入学者から新制度を適用することを予定しています。
   なお、就学指導の具体的な実施は、市町村の教育委員会が判断すべきものですが、文部科学省としては、市町村の教育委員会が就学指導に当たって、保護者の意見表明の機会を設けたり、保護者に様々な情報を提供するよう通知等により指導していく予定です。

(初等中等教育局特別支援教育課)

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 教育上特別な取扱いを要する児童・生徒の教育措置について(昭和53年10月6日付け通達)

 昭和53年10月6日付け文初特第309号文部省初等中等教育局長通達より抜粋。
 現行の学校教育法施行令第22条の3の表に規定された盲者の項及び知的障害者の項の内容について、具体的に定義されている。

第1 教育上特別な取扱いを要する児童・生徒の教育措置及び心身の故障の判断に当たっての留意事項
 1 盲者及び弱視者について
 (1)教育措置
  ア

 前略
 施行令の表盲者の項において「視力以外の視機能障害が高度のもの」とは高度の視野狭窄、高度の夜盲、全色盲などの障害をいい、また、「将来点字による教育を必要とすることとなると認められるもの」とは進行性眼疾患のため将来視力又は視力以外の視機能の障害が高度になると認められるものをいうこと。

  イ 略

 2 聾者及び難聴者について
  略

 3 知的障害者について
 (1)教育措置
  ア

 前略
 施行令の表知的障害者の項において「知的発達の遅滞の程度が中度以上のもの」とは、重度の知的障害及び中度の知的障害を指し、重度の知的障害とは、ほとんど言語を解さず、自他の意志の交換及び環境への適応が著しく困難であって、日常生活において常時介護を必要とする程度のもの(略)、中度の知的障害とは、環境の変化に適応する能力が乏しく、他人の助けによりようやく身辺の事柄を処理することができる程度のもの(略)をいう。
 施行令の表知的障害者の項において「知的発達の遅滞の程度が軽度のもの」とは、軽度の知的障害を指し、軽度の知的障害とは、日常生活に差し支えない程度に身辺の事柄を処理できるが、抽象的な思考は困難である程度のもの(略)をいう。

 以下 略

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 学校教育法施行令の一部を改正する政令案に関する意見募集の結果について
(平成14年4月19日公表)

 文部科学省ホームページ中、「パブリックコメント・意見」のページより抜粋

 学校教育法施行令の一部を改正する政令案に関する意見の募集に対して、皆様から貴重な御意見をいただきました。

 その集計結果及び御意見に対する文部科学省の考え方につきまして以下のとおり御報告いたします。

 なお、本報告はパブリック・コメントの対象となる事項について寄せられたものに限っていることをご了承ください。

○意見募集期間  平成131227日〜平成14116

○提出件数  776件

○御意見等の概要と文部科学省の考え方

  ノーマライゼーション等の考え方

@本改正案は、就学基準に該当する子どもが小・中学校に行くことを一部認めている点で評価できるが、依然として「分離教育」を行うものであり、統合教育の流れに反する。

Aサラマンカ宣言等の国際的な動きや社会のノーマライゼーションの進展を踏まえ「分離教育」の基本姿勢を変えるべきである。

B医学や科学技術の進歩を取り上げて心の問題を取り上げないのは障害児教育の認識に誤りがある。通常の学校に共に学ぶ子どもたちが豊かな心を育てている実態を明らかにし、就学手続の弾力化の根拠とすべきである。心のバリアフリーが重要で障害児も共に学ぶインクルージョンが必要である。

C障害のある子とない子が共に学ぶことがノーマライゼーションであることを認識しつつ、そのための交流学習等の施策を進めていくべきである。

D知的障害のある児童生徒が小・中学校に就学している実態を認識し、基準により機械的に就学先を振り分ける現行制度全体を見直し、知的障害のある児童生徒が通常の学級に就学することを公式に認めて必要な配慮を行う制度に改めるべきである。

E無理に統合教育を行うのは,障害児に対する教育が混乱し支障を生じるおそれがあり問題がある。

【@〜Eに対する回答】

 文部科学省としては、障害のある児童生徒が、その可能性を最大限に伸ばし、自立し社会参加するために必要な力を培うため、障害の種類や程度に応じて、盲・聾・養護学校や特殊学級等において、特別な配慮の下により手厚く、きめ細かい教育の実現に努めてきました。

 また、障害のある子どもの社会性や豊かな人間性を育むとともに、障害のない子どもの障害のある子どもに対する理解と認識を推進する観点から、盲・聾・養護学校と小・中学校の交流や小・中学校の通常の学級と特殊学級との交流、地域の人々との交流など多様な交流活動を積極的に推進しています。

 今回の改正は、障害のある児童生徒一人一人の教育的ニーズによりきめ細かく対応するため、市町村教育委員会が行う就学手続について国が定める手続の弾力化を図るものであり、社会のノーマライゼーションの動向を踏まえたものと考えています。

 新制度においては、市町村教育委員会は「児童生徒の障害の状態に照らして小・中学校において適切な教育を受けること」について、的確に判断して就学先を決める必要があります。

 文部科学省としては、今後とも障害のある児童生徒一人一人の教育的ニーズに対応した教育を行い、自立し、社会参加できるように努めてまいります。

F障害の重い児童生徒が小・中学校に入ることは特別なことではなく、「特別の事情」との表記は削除すべきである。

【Fに対する回答】

 文部科学省としては、障害のある児童生徒が障害の種類や程度を踏まえて、一人一人の教育的ニーズを考慮して適切な教育を受けることが重要であると考えています。

 今回の改正は、このような考え方に立って国の定める盲・聾・養護学校に就学すべき障害の程度を定めた上で、個々の事案ごとに市町村教育委員会が学校や地域の実情を考慮しながら、その障害の程度に該当しても小・中学校において適切な教育を受けることができる特別の事情があると認める場合には小・中学校への就学を行うことができるように、国が定める就学手続を弾力化するものであり、政令案においては、「特別の事情」と規定しています。

  盲・聾・養護学校に就学すべき障害の程度に関する基準

[盲者]

@盲者の基準に「視力や視力以外の(視覚についての)障害の悪化が予想され、盲学校教育を必要とするもの」との規定を追加するべきである。

A盲者の基準は、厚生労働省の基準と合わせるため、「両眼での視力が0.6以下の者」と規定するべきである。

B「点字による教育の必要性」に関する規定を「文字等の認識可能性」に変更した点は点字教育が困難な児童生徒にも盲学校教育の門戸を開いており評価できる。

C盲者の基準において数値を表記しないで程度等を説明することはできないか。

D「おおむね」は、解釈運用上くい違いが出てくる可能性があり、削除すべきである。

E盲者の基準が、「視力0.1未満」から「おおむね視力0.3未満」へ拡大されており、危惧を感じる。

F「視力0.1以下」を無条件に盲学校の対象としていた従来の基準を廃し、「おおむね」という弾力的表現を用いた上で、それと文字等の認識可能性を併用した基準にした点は妥当である。

【@〜Fに対する回答】

 今回の就学基準の見直しは、医学、科学技術の進歩等を踏まえ、市町村教育委員会が障害のある児童生徒一人一人の障害の状態を十分把握して適切な教育を行うという基本的な考え方に立って見直しを行いました。

 盲者の基準については、

 @現在、「(矯正)視力0.1未満」のものは一律に盲学校への就学対象としていますが、視力0.1未満でも拡大鏡等の使用により小・中学校で教育を受けることが可能な場合があることから、「視力0.1未満」を基準として用いないこととしました。

 A「(矯正)視力0.3未満」は現在も通常の文字、図形等の視覚による認識の困難性を判断する上で有効な基準であるため改正案でも規定しています。

 視力0.3以上で視機能障害がない場合でも近見視力が得られない事例があることから、「おおむね0.3未満」としたものです。

 したがって、一定の数値により一律に判断するための規定ではなく、学校における学習ができることを念頭に、通常の文字等の認識の可能性という観点から規定しました。

 また、適切でかつ円滑な運用を確保する観点から、文部科学省としても各自治体に対し基準の内容の解説を示すこととしています。

[聾者]

@聾者の基準において数値を表記しないで程度等を説明することはできないか。

A聾者の基準の「おおむね」は、解釈運用上くい違いが出てくる可能性があり、削除すべきである。

B聾者の基準が、「聴力レベル100デシベル以上」から「聴力レベルおおむね60デシベル以上」へとそれぞれ拡大されており、危惧を感じる。

C「聴力レベル100デシベル以上」を無条件に聾学校の対象者としていた従来の基準を廃し、聴力の規定に「おおむね」をもうけて弾力的運用を可能にしており評価できる。

【@〜Cに対する回答】

 聾者の基準については、

 @現在、「両耳の聴力レベルが裸耳で100デシベル以上」のものは一律に聾学校の対象者となっていますが、早期からの教育的対応や補聴器の性能向上、人工内耳の使用により、小・中学校への就学が可能な場合があることから、「100デシベル以上」を基準として用いないこととしました。

 A「聴力レベルが60デシベル未満」であっても、音がひずんで聞こえるため、話声を明瞭に聴き取ることが難しい場合などがあることから「おおむね60デシベル以上」としました。

[知的障害者]

@知的障害者に対してのみ「援助」の必要性について言及したのは介助の必要性のある者を小・中学校から意図的に排除するものであり、「援助」を削除すべきである。

A知的障害の規定は多義的で曖昧であるため改めるべきである。

B意思疎通の困難さは、客観的に判断するのが難しいのではないか。意思疎通の困難なものとして、聴覚障害や情緒障害にも同様の特徴があり、そうした障害との区別が判然としない。また、知的機能は意思疎通の困難性からのみとらえられるものではないと考える。

C知的障害者の基準は、差別的な内容のものであり、隔離教育をするためのものである。

D従来のように知的機能と適応行動の両面からとらえることが必要ではないか。

E「日常生活」や「社会生活での適応」が取り上げられたことは従来の単純なIQによる判定より進歩したものと高く評価する。

F軽度の知的障害者が養護学校に就学している現状と合っていない。軽度の知的障害者も読めるような基準にするべきである。

G重度の知的障害者しか読めない基準に変更されており、見直しをしてほしい。

H知的障害と精神障害とを重複している児童生徒のために、新しい基準を設けるべきである。

【@〜Hに対する回答】

 今回の知的障害者の規定は、知的機能の発達に遅滞があることに加えて、意思疎通の困難性、日常生活上の援助の必要性等の環境や生活への適応機能を考慮して判断するという考えに基づいて規定しました。

 これは、従来より、就学指導の取り扱いの根拠としていた昭和5310月6日付け文部省初等中等教育局長通達(以下「309号通達」という。)においても、意思疎通が困難であること及び日常生活上の援助が必要であることの観点から判断することとされてきており、また、国際的にみても意思疎通の能力の状態や援助の必要度は知的障害を判断する上で重要とされていることを踏まえたものです。

 知的障害における意思疎通の困難性とは、その生活年齢に応じて一般的に有すると考えられるコミュニケーションの能力と比較して困難性があるということであり、例えば、相手から発信された言葉等の意味が理解できずに適切に応対ができないことなどがこれに当たります。

 なお、この考え方がより明確なものとなるよう適切な規定振りとします。

I学習障害、注意欠陥/多動性障害(ADHD)、高機能自閉症等の児童生徒への支援はどのように考えているのか。これらの児童生徒も基準に該当すれば養護学校に入学することが可能になると考えられるがどうか。

J「知的発達の遅滞」では明確な判断ができない。自閉症、注意欠陥/多動性障害(ADHD)といった障害名等を判断材料として明記すべきである。

K知的障害者の基準の中に自閉症や注意欠陥/多動性障害(ADHD)等の規定を追加すべきである。

【I〜Kに対する回答】

 知的障害の程度に関する規定において、学習障害、注意欠陥/多動性障害(ADHD)、高機能自閉症等は含まれません。

 学習障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、高機能自閉症等の児童生徒への対応については、昨年秋に検討を開始した「特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議」の報告を踏まえて今後検討していくこととしています。

L知的機能の程度をとらえるために知能検査や発達検査を活用してきたが、意思疎通の困難さを客観的にとらえるためにどのような方法があるのか教えてほしい。

【Lに対する回答】

  理解や応答の仕方を調べるための簡単な質問、行動観察等によりスクリーニングし、その上で教育相談等において詳細に行動観察や面接等による検査を行うことによりその生活年齢に応じて一般的に有すると考えられるコミュニケーションの能力と比較して知的障害のある子どもの意思疎通の困難については的確に判断できるものと考えています。

 こうした方法は既に一部の市町村において質問項目を定める等の方法により行われています。

M情緒障害からくる社会的不適応のある児童生徒が、軽度な知的障害があるにもかかわらず情緒障害学級に在籍する現状がある。情緒障害に関する規定を再検討する必要はないか。

【Mに対する回答】

 自閉症、選択性かん黙等のある児童生徒については、基本的には知的障害を伴う場合は、その程度に応じて知的障害養護学校又は知的障害特殊学級に就学し、それ以外の場合は、情緒障害特殊学級において教育を行うことが適切としています。

 今回の改正と併せ通知等の形で情緒障害特殊学級の対象範囲を明らかにするなど適切な実施運用が図られるようにします。

[肢体不自由]

@「6月以上」との規定を廃したことは妥当であるが、「常時の」との規定を設けたことは対象がより限定的になっており不適切である。

A肢体不自由の基準は病状の進行によって将来肢体不自由となる者にも対応する基準にするべきである。

【@、Aに対するする回答】

 「常時の医学的な観察指導を必要とする」とは、期間の長さにかかわらず、常に医学的観察指導が必要であると判断した場合に養護学校の対象とすることとしたもので、これにより市町村教育委員会が、教育学上、医学上、心理学上の観点から一人一人の障害の状態を考慮して、適切に肢体不自由養護学校における教育の機会を提供できるようになっていると考えています。

[病弱者]

@内科的ハンディキャップのある児童生徒を排除する基準であり、なくすべきである。

A今まで心身症や不登校の児童生徒が病弱養護学校の対象とされないことがあった。運用において病気の種類が狭く解釈されないように希望する。

B「6月以上」との規定を廃したことは妥当であるが、「継続して」との規定を設けたことは対象がより限定的になっており不適切である。

【@〜Bに対する回答】

 この見直しは、近年の病弱養護学校の教育の実態を踏まえ、何らかの疾患があり、期間の長さにかかわらず一定期間継続して医療や生活規制を必要とするため、小・中学校で教育を受けることができない児童生徒に対して、適切な教育の機会を提供できるようにしました。

 なお、文部科学省では、この見直しの趣旨を踏まえ、各教育委員会で適切かつ円滑な取り扱いがなされるよう、通知等により基準の内容の解説を示すこととしています。

[全般]

@就学基準は、障害のある児童生徒を地域の学校から排除するものであり、廃止すべきである。

A基準の改正について特に問題はない。

B障害のある児童生徒の教育・発達の保障の考えに立って、盲・聾・養護学校での教育を必要とするすべての児童生徒を対象としうる規定にすべきである。

C基準中「著しく困難」と規定されるものについては、「著しく」は除いても問題ないのではないか。

D社会の変化や医学の進歩等に対応できるよう、10年に一度は基準の見直しをすることを義務づけるべきである。

【@〜Dに対する回答】

 学校教育法施行令第22条の3で定める「心身の故障の程度」いわゆる就学基準は、障害のある児童生徒に対して適切な教育が行われるよう、具体的な就学先を判断するために今後とも必要と考えています。

 文部科学省では、今後も障害の状態を踏まえ障害のある児童生徒一人一人のニーズに応じた適切な教育を行うという観点から、適切な実施と運用を図るとともに、必要があれば見直しを検討することとします。

E数値的に緩和されたことは、現状を踏まえたものでよい面もあるが、一方で規定の解釈が曖昧になり、市町村教育委員会の判断基準の幅が拡大することが予想されるため問題があるのではないか。

F基準が緩和されており、盲・聾・養護学校に就学措置された児童生徒と同様の障害を有する者が小・中学校へ就学措置されることに危惧を感じる。

G就学基準が限定されたものになっており、現在、盲・聾・養護学校に就学している中度の障害のある児童生徒が盲・聾・養護学校に引き続き就学することができなくなるのではないかとの危惧を感じる。

H障害種別の基準とともに、障害種別でなく総合的な対応を可能とする基準(ガイドライン)を提示することを希望する。

【E〜Hに対する回答】

 今回の就学基準の見直しは、医学、科学技術の進歩等の観点から、実態に合うように改正したもので、これにより市町村教育委員会は、一人一人の障害の状態を踏まえた教育的ニーズを考慮して適切な就学先を判断することが可能になると考えます。

 また、文部科学省では、各教育委員会においてこの見直しの趣旨を踏まえ、適正かつ円滑な実施と運用がなされるよう通知等により基準の内容の解説を示すこととしています。

  就学手続

@今回の政令改正は、今まで市町村教育委員会によって柔軟に行うことが出来ていた就学措置を拘束するものである。

A盲・聾・養護学校への措置についてこれまでは309号通達で定めていたものを政令に格上げすることで、市町村教育委員会の就学措置に対する制限を強化するものである。

【@、Aに対する回答】

 小・中学校及び盲・聾・養護学校への就学手続については、現行の学校教育法施行令において定められ、政令に定める就学手続により就学基準に該当する児童生徒は盲・聾・養護学校に就学させることとしていました。

 昭和53年に出された309号通達は、円滑な実施と運用を図る観点からこれを解説したものです。

 今回の政令改正は、盲・聾・養護学校に就学すべき障害の程度に関する基準に該当する児童生徒であっても、市町村教育委員会が、小・中学校において適切な教育を受けることができる特別の事情があると認める場合には、小・中学校への就学を行うことができるように、むしろこれまでの就学手続を弾力化するものです。

B特別の事情の判断に制限を加えるような指導を通知で行い、市町村の教育委員会の判断をしばるべきではない。

C特別な事情の内容が曖昧であり、多様な理解をされやすい。保護者の意向に左右され、就学指導委員会の判定と異なる就学措置をされかねず問題がある。

D就学指導委員会で就学先を決定しても、保護者が就学指導委員会の決定に従わず、市町村教育委員会は保護者の意向に沿って就学措置している。

E特別の事情があると認める者の概念が不明確である。障害に応じた教育の体制(施設設備等)が十分に整っているかどうかが問題であり、児童生徒の身体上の条件だけで判断すべきではない。特別の事情の判断に当たって、ハード面のみならずソフト面等の種々の事情を考慮して市町村の教育委員会が判断できる制度にするべきである。

F各市町村教育委員会が、改正の内容について共通の認識をもち、適正な就学指導を実施できるよう「基準」の内容についての詳細説明や「適切な教育」をどのようにとらえるのか、「特別の事情」とはどのような場合なのか等、具体的に判断できるような補足説明等を示すことを希望する。

G障害のある児童生徒に対してはその能力や適性に応じた学校教育の場が必要であり、改正内容はこの点を十分考慮しており評価できる。適切な運用が行われるよう指導していくことを希望する。

H就学相談に当たっては「心身の故障の状態」だけでなく、施設設備の状況をはじめ、介助の有無、補助機器の活用状況など様々な判断要素を踏まえて対応する必要がある。このため、「心身の故障の状態等」といった表現がよいのではないか。

I施設設備の不備をもって障害のある児童生徒の通常の学級への就学を拒否してはならないとの規定を盛り込むべきである。

【B〜Iに対する回答】

 就学に関する事務は自治事務であり、市町村教育委員会が、就学指導委員会の調査及び審議を踏まえてより児童生徒の障害の状態を把握するとともに、学校や地域の実情等を考慮しながら一人一人の教育的ニーズに応じた適切な教育を行えるかどうかを判断し就学先を決定します。

 また、市町村教育委員会が、特別の事情の有無を判断するに当たっては、当該児童生徒の障害の状態に照らして、施設設備の整備状況等ハード面の事情のみならず、当該児童生徒に用意された特別な教育的支援の内容、専門性のある教員の配置等も踏まえて総合的に判断されるべきものと考えます。

 文部科学省としては、市町村教育委員会において就学手続が適切かつ円滑に行われるよう、今回の見直しの趣旨を明らかにするとともに、基準や就学手続の改正内容、判断に当たって留意すべき点等を通知等で示すこととしています。

Jこれまでの就学措置や現在小・中学校に在籍している児童生徒の状況を変更するものでないことを各県教委に周知徹底する等、今までの地方自治体の取り組み、成果を積極的に位置づけ、後退させないことを明記すべきである。

【Jに対する回答】

 パブリック・コメントの資料にも記載したとおり、今回の制度の見直しは、社会のノーマライゼーションの進展や地方分権の観点から、一人一人の教育的ニーズに対応した教育的支援の充実が図られるように、市町村教育委員会が行う就学事務に関して弾力化を図ろうとするものです。

 したがって、これまで市町村教育委員会が行ってきた就学に関する措置や、現在小・中学校に在籍している児童生徒の就学状況を変更するものではありません。

 今後、今回の政令改正の趣旨を各教育委員会に周知していくこととしています。

Kこれまでも障害の比較的重い子どもが小・中学校へ就学し、障害に応じた学校側の対応が十分にできないまま不適応状態となって盲・聾・養護学校へ転学する事例がある。障害のある子どもを小・中学校に就学させる場合には、慎重な配慮と十分な体制を整える必要がある。

L無限定な通常の学級への就学の促進は、障害児の教育を受ける権利・発達する権利の否定をもたらすダンピングにつながると考えられるので、通常の学級において適切な教育を受けることができる特別の事情のある者の考え方について政令において示すべきである。

【K、Lに対する回答】

 市町村教育委員会においては、障害のある児童生徒がその障害の状態に照らして小・中学校において適切な教育を受けることができる特別の事情が認められるかどうかについて、適切に判断する必要があります。

 特に重複障害のある児童生徒や日常的に医療的ケアを必要とする児童生徒等、障害の種類や程度によっては安全面等への配慮や適切な指導が行われる必要があること等に留意すべきで、「特別の事情」については慎重に判断することが必要と考えています。

 文部科学省としては、市町村教育委員会が円滑な就学指導を行うため、基準や就学手続の改正内容や判断に当たって留意すべき点等について通知等により各自治体に示す予定ですが、就学事務が自治事務であることを考慮すれば、「特別の事情」について政令に規定することは適切でないと考えます。

M障害があり特別な支援を必要とする児童生徒については、盲・聾・養護学校か小・中学校かというだけでなく、特殊学級、通級、TT、補助教員をつけることを含めた多面的でかつ綿密な就学指導をするべきである。

【Mに対する回答】

 障害のある児童生徒に対する特別な支援を適切に行うためには、乳幼児期から学校卒業後にわたって、教育、福祉、医療、労働等が一体となって一貫して相談及び支援を行う体制が整備されることが必要です。

 このような考えに立って、教育委員会に対する通知等により、就学指導において早期からの福祉等と連携した発達・教育相談等を活用したり、学校内の就学指導委員会等で就学後も必要な支援についてフォローアップが行われるようにしたいと考えています。

N転学手続の簡素化について通知等で指導をするべきである。

【Nに対する回答】

 転学手続について、法令で義務づけているものは学齢簿の訂正等必要最小限と考えていますが、実務上各自治体で定めている手続の中にはかなり煩雑なものになっている事例もあると聞いています。

 今後、各市町村教育委員会に対しできる限り簡略なものとなることが重要であり、このことについて通知等により適切な実施と運用を図りたいと考えています。

O改正に合わせて、現在、市町村教育委員会が都道府県教育委員会に通知している「盲(聾、知的障害、肢体不自由、病弱)者通知書」については、「盲学校、聾学校養護学校へ就学することが適している旨の通知書」と変更するべきではないか。

【Oに対する回答】

 ご提案のような変更は、政令の改正内容にも沿ったものと考えます。

  施設設備等の条件整備等の条件整備

@特別の事情の判断にかかわるハード面の整備等について自治体の努力義務を明記すべきである。

A就学手続の改正に合わせ、通常の学級との日常的交流や集団学習における可能な限りの教育的配慮が図られるよう、適切な人的措置等、条件整備が図られることを希望する。

B地域の学校への就学を希望する障害のある児童生徒の希望を実現できるよう、学校のバリアフリー化などハード面やソフト面の充実を図り、就学機会の充実を図るべきである。

C新制度に向けて、施設設備の整備が必要となってくるが、短期間に十分な整備をすることは難しい。

【@〜Cに対する回答】

 今回の改正は、市町村教育委員会が現に存する学校や地域における実情等を踏まえて総合的に判断を行い、小・中学校において適切な教育を受けることができる特別の事情があると認める場合に、小・中学校への就学を可能とする就学手続の弾力化を図るものです。

 したがって、どのような観点から「特別の事情」の判断を行うか、受け入れに当たりどのような条件整備を行うかは、市町村教育委員会が判断すべきものと考えます。

 なお、学校施設のバリアフリー化のため、国においてもエレベータやスロープ等の施設設備に対して助成措置を講じています。

D今回の制度改正に当たって、自治体によってばらつきがないよう、「通級による指導」と「特殊学級」の設置及び人的措置などについて「設置基準」等を政令等により明確にすることを希望する。

【Dに対する回答】

 特殊学級や「通級による指導」の対象者については、学校教育法第75条や学校教育法施行規則第73条の21に規定されており、今回の政令改正の対象となっていません。

 ただし、今回の見直しに合わせて、義務教育費国庫負担法等の対象となる特殊学級や通級による指導の対象者については、文部科学省としての考え方を各自治体に対し通知等で示すことについて検討しています。

E通常の学級に就学した障害のある児童生徒に対する支援体制の充実を希望する。

【Eに対する回答】

 今回の改正により、小・中学校において適切な教育を受けることができる特別の事情があると認められた児童生徒に対し、教育上の配慮が必要になることが想定されます。

 こうした児童生徒に対しては適切な指導を行うために、特殊教育で培ってきた指導方法等を生かすことがますます必要になると考えられます。

 このため、小・中学校においては、教職員全体が障害のある児童生徒に対する理解・啓発に努めるなど、学校全体で指導体制の充実に努めるとともに、日頃から盲・聾・養護学校との連絡を密にとり、障害のある児童生徒への教育的対応についての情報を常に交換できるようにしておくことが重要です。

 なお、文部科学省としては、今後とも各教育委員会が行う学校施設の整備充実を支援するとともに、教員が障害のある児童生徒に対する理解を深める研修の充実を図ることとしています。

  本人及び保護者の意見の取り扱い

@就学指導においては本人、保護者の希望の尊重が必要であり、その旨を改正案にも明記すべきである。

Aどこに就学すべきかは本人、保護者が決定すべきである。

B専門家の意見を聴くことを法的に義務づけることのバランスから、本人及び保護者の意見を聴くことについても法的に義務づけるべきである。

C保護者の希望通りに就学させることがあるが、児童生徒自身の将来を考え、就学指導委員会において専門的かつ客観的な判断が必要である。障害のある児童生徒の自立と社会参加を進めるために責任のある教育行政が行われることに期待する。

D一方的に本人や保護者の意向に沿うのではなく、教育学、医学、心理学等の見地から、児童生徒の就学に関する専門的な立場で、市町村教育委員会だけでなく、都道府県教育委員会も積極的にかかわりながら指導をしていくべきである。また、保護者が適切な判断ができるよう必要な情報を提供するべきである。

【@〜Dに対する回答】

 障害のある児童生徒の就学指導においては、市町村教育委員会が就学指導委員会の調査及び審議を踏まえて、当該児童生徒の障害の状態を十分に把握するとともに、障害に応じた教育や指導の内容等について保護者等の意見を聴くなどして、適切な就学先を決定することが必要です。

 このため、文部科学省としては、市町村教育委員会が就学指導を行うに当たって、障害の種類、程度の判断について教育学、医学、心理学等の専門家の意見を聴くこと及び保護者の意見表明の機会の設定、保護者に対する情報提供等について、文部科学省としての考え方を示すことにより適切な実施と運用を図りたいと考えています。

E転学等の就学手続についても、本人、保護者の希望により行うべきである。

【Eに対する回答】

 文部科学省としても、転学等の手続において障害の状態に応じた適切な教育が受けられるよう保護者や本人の意向を聴取することが重要と考えています。

 このことについて、文部科学省では通知等により適切な実施と運用を図りたいと考えています。

  就学指導委員会

@基準に基づき判定を行う就学指導委員会は廃止すべきである。代わりに、児童生徒に必要な援助が適切に行われるよう調整、支援する就学支援委員会等の設置を義務づけるべきである。

A就学指導委員会の明確化を図ることや障害のある児童生徒について特別の事情がなければ小・中学校への入学を認めないという規定は、地方自治体をしばるおそれがあり、地方分権に逆行するものである。

B障害のある児童生徒の教育的ニーズに応じた教育を行うためには、個々の障害児に応じた教育条件の整備が不可欠で、就学指導委員会は適切な教育の在り方を検討すると同時に、個々の障害児に対する教育条件整備の必要性について示せるよう権限と役割を拡大することが必要であり、そのような委員会の位置づけを政令上明記すべきである。

C就学先の決定には本人や保護者の意見が尊重されるべきで、「就学指導委員会」を「就学相談委員会」と改め相談機関として位置付けるべき。

D就学指導委員会の意見を重視する法の整備を希望する。

Eコミュニケーション能力や学習能力を考慮することなく、保護者の意見が先行して就学措置されることがあった。保護者の意見に耳を傾けつつも、就学指導委員会の責任で就学措置するべきである。

F「専門的知識を有する者の意見を聴くこと」と規定したのは、就学指導委員会の位置づけの明確化のためであることについて保護者の啓発を図る等により、就学指導委員会が強化されることを希望する。

G盲・聾・養護学校への就学者のみでなく、特殊学級や通級による指導の対象についても専門家に意見を聴くべきである。そのために必要な就学指導委員会の設置について政令上明記すべきである。

H盲学校等への就学が適当である旨の通知をする者だけでなく、「特別の事情」があり小・中学校へ就学する児童生徒に関しても就学指導委員会の意見を聴取するべきである。

【@〜Hに対する回答】

 今回の改正では、市町村教育委員会が就学指導を行うに当たり、障害の状態に応じた適切な教育を行うためには、専門的立場からの調査及び審議を踏まえ、的確な判断を行うことが必要であるとの考えから、教育学、医学、心理学の専門家の意見を聴く旨を定めました。

 これは、現在、就学指導に当たって専門的立場から調査及び審議を行うために教育委員会が就学指導委員会を設置している場合もこの規定により専門家の意見を聴いていることに当たります。

 しかし、どのような形で専門家の意見を聴くかについては、市町村教育委員会の裁量であり、いわゆる就学指導委員会の設置や運用については、自治体の判断によります。

I就学指導委員会の位置づけが明確化されたことは評価できる。今後、適切な運用が行われるよう指導していくことを希望する。

J就学指導委員会について、専門性を高めるとともに、審議内容の開示等、透明性が確保されるよう指導されることを希望する。

K「専門的知識を有する者の意見を聴く」ということが、医師等の就学指導委員会への出席を意味すると解すると、現状では医師等の出席は非常に困難であると思われる。専門医の所見等により医学的な立場からの意見が得られるならば、別の方法も認められるようにするため、より柔軟な規定が望ましい。

L就学指導委員会にインクルージョンについて詳しい知識を有する者を入れるべき。

M就学指導委員会の中に自閉症の専門家を入れるべきである。

【I〜Mに対する回答】

 障害の種類、程度等の判断について専門的立場から調査及び審議を行うために就学指導委員会が設置されている現状も踏まえ、その位置付けの明確化を図るとともに、一人一人の障害の状態に関する専門家の意見を踏まえて適切に就学指導が行われることが必要であるため、市町村の教育委員会が就学に関して専門家の意見を聴くものとしました。

 就学指導委員会の設置、構成、活動内容等具体的な実施と運用については、市町村教育委員会が判断すべきものですが、新しい制度の適切な実施と運用に向け、文部科学省としては、就学指導委員会が児童生徒の障害の状態や必要な教育的支援の内容についての十分な調査及び審議のために教育学、医学、心理学等の専門家で構成されること、保護者の意見表明の機会を確保すること、保護者に対し十分な情報を提供すること等が重要です。

 このことについて、文部科学省では通知等により適切な実施と運用を図りたいと考えています。

N就学指導委員会を設置するためには、小さな市町村においては、人材の確保や予算等で困難も予想されるがその対策はどう考えているのか。

【Nに対する回答】

 比較的小規模な市町村で単独で就学指導委員会を設置することが困難な場合は、複数の市町村で共同設置をしたり、比較的規模の大きい市等への事務委託を行うことも可能です。

 また、都道府県の教育委員会が、域内の市町村教育委員会に対して専門家の巡回指導を行ったり、就学指導に関する研修会を開催したりすること等により、市町村教育委員会の就学指導体制の整備充実を支援することが今後とも重要と考えます。

O転学時にも就学指導委員会の意見を聴取することを政令に位置づけるべきである。

【Oに対する回答】

 就学後においても、校長が校内の就学指導委員会等の審議等を踏まえ、在学する児童生徒の障害の状態を適切に把握し、必要に応じて就学指導のフォローアップの体制を整え、弾力的かつ機動的に対応することが重要です。

 このことについて、文部科学省では通知等により適切な実施と運用を図りたいと考えています。

  その他

@就学先の変更については、転学手続の簡素化とあわせ、受け入れ態勢の整備について関係学校間で十分な情報の伝達(現在の学校での児童生徒の詳細な学習の状態や特別な教育的支援の状況に関する情報を転学先に引き継ぐ)が必要である。

A市町村教育委員会は、就学後も保護者との連携を図り、障害のある児童生徒の就学後の状況もよく把握するべきである。

B今回の改正案は、専門家の意見聴取、保護者への情報提供や意見聴取等、極めて行き届いているものと高く評価する。平成15年度からこれらのことが、全市町村で格差なく実施されるよう、強力な指導を希望する。

【@〜Bに対する回答】

 市町村教育委員会において、新制度による就学指導が適切かつ円滑に行われるよう、盲・聾・養護学校に就学すべき障害の程度に関する基準の解説、専門家の意見を聴くこと、保護者の意見表明の機会を設けることや保護者への情報提供、学内の就学指導委員会等による就学後のフォローアップ、関係機関・学校間の連携等が重要です。

 このことについて、文部科学省では通知等により適切な実施と運用を図りたいと考えています。

C「心身の故障」「盲者」「聾者」の用語は不適切であり改めるべきである。

【Cに対する回答】

  学校教育法に根拠規定があること、他法令にも使用されていること等をから、今回の政令改正において対応することは困難です。

 用語については関係者等の意見を聴きながら引き続き検討することとしています。

D自閉症児についての基準を就学基準に追加し、自閉症児専門の養護学校を全国設置するべきである。学校教育法へ自閉症児を独立した障害として位置づけるべきである。

【Dに対する回答】

 現在、自閉症の児童生徒については、主として知的障害教育の対象とされていますが、その障害の特性に応じた対応については、昨年秋に検討を開始した「特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議」の報告を踏まえて検討していくこととしています。

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 学校保健法施行規則の一部改正等について
(平成14年3月29日文部科学省
スポーツ・青少年局長通知)

・文部科学省ホームページ中、「告示・通達等データベースシステム」のページより抜粋

 

このたび、別添のとおり、学校保健法施行規則の一部を改正する省令(平成一四年三月二九日文部科学省令第一二号)が制定され、平成一四年四月一日から施行されることとなりました。

これに伴い、「就学時の健康診断の実施について」(平成一一年五月三一日付け文体学第一八九号文部省体育局長通知)を廃止し、新たに別紙一のとおりとし、平成一四年四月一日から実施するとともに、別紙二のとおり「児童、生徒、学生、幼児及び職員の健康診断の方法及び技術的基準の補足的事項について」(平成六年一二月八日付け文体学第一六八号文部省体育局長通知別紙)の一部を改正し、平成一五年四月一日から実施することとしました。

今回の改正の概要および留意事項等は左記のとおりですので、改正の目的に照らし健康診断の適正な実施を図られるようお願いします。

また、各都道府県教育委員会におかれては域内の市町村教育委員会等に対し、各都道府県知事におかれては、所管の私立学校等に対してこの趣旨を周知徹底されるよう併せてお願いします。

第一 学校保健法施行規則の一部改正について

一 就学時の健康診断の方法及び技術的基準

知能については、これまで、標準化された知能検査法によって知的障害の発見に努めることとしていたが、標準化された知能検査法以外の方法によることも可能であることから、検査法を限定せずに、適切な方法であればよいこととしたこと。

なお、適切な方法としては、医師等の専門家による面接や行動観察等が考えられること。

二 児童、生徒、学生及び幼児の健康診断

() 色覚異常についての知見の蓄積により、色覚検査において異常と判別される者であっても、大半は支障なく学校生活を送ることが可能であることが明らかになってきていること、これまで、色覚異常を有する児童生徒への配慮を指導してきていることを考慮し、色覚の検査を必須の項目から削除したこと。

() 色覚の検査の必須項目からの削除に伴い、色覚検査の実施学年に関する記述を削除する等の改正を行ったこと。

三 就学時健康診断票の様式(第一号様式)(略)

四 適用時期

() 就学時の健康診断に関する改正規定については、平成一五年度からの就学を予定している者に対する健康診断から適用されること。

() 児童、生徒等の健康診断の必須項目のうち、色覚の検査の削除については、平成一五年度の健康診断から適用されるので、平成一四年度に小学校の第四学年に在学する者に対する同年度の検査については、なお、従前の例によること。

第二 「就学時の健康診断の実施について」について

新たに定めた「就学時の健康診断の実施について」(別紙一)は、今回の学校保健法施行規則の改正に伴って内容を整理したものであり、主な改正点は次のとおりであること。

一 知能の検査

検査法を限定せずに、適切な検査であればよいこととしたことに伴い、留意事項のうち、不要となった内容を削除したこと(別紙一 三()関係)

二 健康診断票

就学時健康診断票は、事後措置を行う場合の基本となるものであるので、同票の()によって的確な記入をすることが必要であるとしたこと(別紙一 三()関係)

三 事後措置

() 疾病又は異常を有しない者についての就学時の健康診断の結果の通知に関する記述の趣旨を明確にしたこと(別紙一 四()関係)

() この時期に早急に治療が必要な疾患(不同視等)などが疑われる場合には、特にその旨を保護者への通知に記載して、医療機関において受診するよう指導することが必要であるとしたこと(別紙一 四()関係)

() 発育が順調でない者や、栄養要注意の者で、全身の状況や保護者と幼児との様子から、児童虐待などが疑われる場合には、速やかに、児童相談所等に連絡を取る必要があるとしたこと(別紙一 四()関係)

() 就学時の健康診断の結果、盲者、聾者又は知的障害者、肢体不自由者若しくは病弱者の疑いがある場合には、適切な就学相談・就学指導が行われるよう、市町村教育委員会において、就学時の健康診断を担当する部局と就学相談・就学指導を担当する部局との間で十分な連携を図る必要があるとしたこと(別紙一 四()関係)

第三 「児童、生徒、学生、幼児及び職員の健康診断の方法及び技術的基準の補足的事項について」の一部改正について

今回の学校保健法施行規則の改正により、色覚の検査が必須項目から削除されたことに伴い、八(色覚の検査)を削除したこと。

第四 色覚の検査の必須項目からの削除に伴う留意事項について(略)

別添 〔略〕

別紙一

就学時の健康診断の実施について

学校保健法(昭和三三年法律第五六号。以下「法」という。)第四条の規定に基づく就学時の健康診断の実施について留意すべき事項は、以下のとおりとする。

一 就学時の健康診断を行う趣旨

就学時の健康診断は、市町村の教育委員会が、就学予定者に対し、あらかじめ健康診断を行うことにより、就学予定者の状況を把握し、保健上必要な助言や適切な就学についての指導等を行い、もって、義務教育の円滑な実施に資するものであり、当該市町村の教育委員会が行う就学事務と関連があること。

二 対象者及び保護者への通知

() 対象者

対象者は、学校教育法(昭和二二年法律第二六号)第二二条第一項の規定により翌学年の初めから同項に規定する学校に就学させるべき者で当該市町村の区域内に住所を有するものである(法第四条)が、具体的には学校教育法施行令(昭和二八年政令第三四〇号)第二条の規定によりあらかじめ作成された学齢簿に記載された就学予定者であること。

() 保護者への通知

市町村の教育委員会が就学時の健康診断を行うに当たって保護者への通知(法第一〇条第二項、学校保健法施行令(昭和三三年政令第一七四号。以下「令」という。)第三条)については、別記を参考の上、当該市町村の教育委員会において定め、通知すること。

三 時期、検査の項目、方法及び技術的基準、健康診断票

() 時期

就学時の健康診断は、学校教育法施行令第二条の規定により当該市町村の教育委員会において学齢簿が作成された後翌学年の初めから四月前までの間に行うものであること(法第一〇条第二項、令第一条)

() 検査の項目

就学時の健康診断における検査の項目は、法第一〇条第二項の規定に基づき令第二条に定められているが、特に、学習に際して特別な対応を取ることが必要となる疾病等の発見に努めるなど法第五条の事後措置に関連して必要な検査の項目が定められているものであること。

() 方法及び技術的基準

就学時の健康診断の方法及び技術的基準は、()の検査の項目ごとに、法第一〇条第二項の規定に基づき学校保健法施行規則(昭和三三年文部省令第一八号。以下「規則」という。)第一条に定められているが、このほか「児童、生徒、学生、幼児及び職員の健康診断の方法及び技術的基準の補足的事項について」(平成六年一二月八日付け文体学第一六八号文部省体育局長通知別紙)を参照すること。

また、知能については、次の点に留意して実施すること。

[cir1 ] 就学時の健康診断における知能の検査は、知的障害の発見のために行うものである。

[cir2 ] 就学時の健康診断における知能の検査は、[cir1 ]の目的に合致するよう簡便でしかも就学予定者の年齢層に適合した方法によること。

[cir3 ] 検査は、プライバシーの保護に十分配慮し行うこと。

なお、就学時の健康診断は、幼児を対象として行われることなどから、室内の保温等を適切に行い、換気、採光に留意し、清潔を保つ等健康診断実施場所の環境衛生に配慮すること。

() 健康診断票

市町村の教育委員会は、就学時の健康診断を行ったときは、規則の第一号様式により、就学時健康診断票を作成しなければならないこと(法第一〇条第二項、令第四条第一項、規則第二条)。就学時健康診断票の作成は、法第五条の事後措置を適切に行う等のためにも、同票の()によって的確な記入をすることが必要であること。

また、市町村の教育委員会は、翌学年の初めから一五日前までに、就学時健康診断票を就学時の健康診断を受けた者の入学する学校の校長に送付しなければならないこと(法第一〇条第二項、令第四条第二項)

四 事後措置

市町村の教育委員会は、就学時の健康診断の結果に基づき、担当医師及び担当歯科医師の所見に照らして、治療を勧告し、保健上必要な助言を行い、及び学校教育法第二二条第一項に規定する義務の猶予若しくは免除又は盲学校、聾学校若しくは養護学校への就学に関し指導を行う等適切な措置をとらなければならないものであること(法第五条)

事後措置は、就学時の健康診断の結果を保護者に通知し、その通知においてあわせて所要事項を記載して行うのが適当である。もとより必要に応じて、保護者と直接、面会して指導、助言を行うことが必要となる場合もあること。

当該事後措置の留意事項は次のとおりであること。

() 疾病又は異常を有しない者

発育も順調であり、就学時の健康診断においては、心身に疾病又は異常もみられず、健康と認められる者については、事後措置の必要はないようにも思えるが、やはり就学時の健康診断の結果(栄養状態が良好及び疾病又は異常は認められなかった旨)を通知し、その旨を保護者に知らせるべきであり、今後も健康に留意し生活を規則正しくして、元気で入学するように附言することが適当である。

() 疾病又は異常を有する者等

疾病又は異常を有する者については、速やかに治療のために必要な医療を受けるよう勧告し、又は、必要に応じて更に必要な検査を受けるよう指導する。また、予防接種を受けていない者には予防接種を受けるよう指導し、発育が順調でない者、栄養要注意の者等には、その発育、健康状態等に応じて保健上必要な助言を行う。

この時期に早急に治療が必要な疾患(不同視等)などが疑われる場合には、特にその旨を保護者への通知に記載して、医療機関において受診するよう指導することが必要である。

また、発育が順調でない者や、栄養要注意の者で、全身の状況や保護者と幼児との様子から、児童虐待などが疑われる場合には、速やかに、児童相談所等に連絡を取る必要がある。

() 盲者、聾者又は知的障害者、肢体不自由者若しくは病弱者の疑いがある場合

市町村の教育委員会は、盲者、聾者又は知的障害者、肢体不自由者若しくは病弱者で盲学校、聾学校又は養護学校へ就学することが適当であると認められる者については、都道府県の教育委員会に対し学校教育法施行令第一一条の規定による通知等を翌学年の初めから三月前(一二月三一日)までにしなければならないこととなっている。

就学時の健康診断の結果、盲者、聾者又は知的障害者、肢体不自由者若しくは病弱者の疑いがある場合には、市町村の教育委員会において、就学時の健康診断を担当する部局と就学相談・就学指導を担当する部局との間で十分な連携を図り、適切な就学相談・就学指導を行う必要がある。

更に必要な検査、精密検査を受ける必要があると認められる場合はその旨を指導するとともに、市町村の教育委員会はその検査結果を踏まえて適切な就学相談・就学指導等を行うことが適当である。

なお、治療又は生命・健康の維持のため療養に専念することを必要とし、教育を受けることが困難又は不可能な者については、保護者の願出により学校教育法第二二条第一項に規定する義務(以下「就学義務」という。)の猶予又は免除の措置を行うため、就学時の健康診断の結果、就学義務の猶予又は免除を受けることが適当ではないかと疑われる者については、まず、更に必要な検査、精密検査を受ける必要があることを保護者に対し指導するとともに、教育委員会はその検査結果を踏まえて就学義務の猶予又は免除が適当と認められる場合には保護者にその旨を指導する必要がある。

別記(略)

別紙2(略)

 

(当HP作成者注)
 障害児を普通学校へ・全国連絡会では、「標準化された知能検査法」(一般的には業者の作った知能テスト)には、過去に多くの問題があったと指摘しています。
 今回、「標準化された知能検査法」は使わなくてもよくなりますが、知的障害の発見につとめることに変わりはありませんので、就学時健診の結果から、健常児と障害児をふるい分け、障害児は分離教育を指導されることに変わりはありません。

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10 平成13年12月定例会提出議案知事説明要旨(平成13年12月5日 説明)

 新潟県議会ホームページの「定例会概要」中、「提案理由」のページより抜粋
 小学校の空き教室を利用するものです。当ホームページ開設者としては、文部科学省が分離教育を堅持する中で、教育のノーマライゼーションをより進めていく上で、現実的な手法と思います。(下線は当ホームページ開設者による)

 (前略)

 また、平成14年4月から県立小出養護学校の分校を市立十日町小学校に開設することとし、そのために必要な工事費用等を計上したほか、ワールドカップサッカー開催準備活動のための経費を計上したところであります。

 (後略)

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11 平成14年度宮城県政策方針(平成13年10月29日公表)

 宮城県ホームページ中、「企画政策課」のページより抜粋。
 新潟県と同様、小中学校等の空き教室を利用するものです。
 他に栃木県、静岡県にも同様の分校があるようです。

(16) 知的障害のある児童生徒の通学上の負担軽減

 小中学校等の余裕教室を活用し、養護学校の分校・分教室を設置することにより、知的障害のある児童生徒の通学時間・距離を短縮し、通学にかかる負担の軽減を図る。

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12 新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について(最終報告)
(平成15年3月20日答申)

 文部科学省ホームページ中、「審議会情報」の「中央教育審議会」より抜粋。

 第2章 新しい時代にふさわしい教育基本法の在り方について

 2 具体的な見直しの方向

 (2)教育を受ける権利,義務教育等

 @教育の機会均等

 ○ (略)

[中間報告]
 ○ さらに,障害者など教育上特別の支援が必要な者についての新たな規定を追加すべきではないかという意見もあった。憲法や教育基本法の精神に基づいて教育を行うに当たっては,障害者に対してはその障害の種類や程度に応じた教育が行われるべきことは当然であり,この趣旨をより明確にすることが必要かどうか,引き続き検討していくこととする。なお,その際には,障害者基本法との関係にも留意して検討することが必要である。

 ↓

[最終報告]
 ○ 
また,憲法や教育基本法の精神に基づいて教育を行うに当たっては,障害のある子どもなど教育を行う上で特別の支援を必要とする者に対して,その必要に応じ,より配慮された教育が行われることが重要である。

 

 第3章 教育振興基本計画の在り方について

[中間報告]
 3 教育振興基本計画に盛り込むべき施策の基本的な方向

 (1)国民から信頼される学校教育の確立

 @一人一人の個性に応じてその能力を最大限に伸ばす教育の推進

 (ii)個性,才能を伸ばす教育の実現

 教育においては,基礎・基本を徹底し,「確かな学力」を育成することにより,一人一人の多様な才能を開花させ,社会の様々な分野で活躍する創造的な人材を育成していくことも重要である。そのためには,職業観・勤労観の育成とともに,各人に備わった個性や才能を発見・認識させ,これらを将来の職業選択なども見据えつつ各人のニーズに応じて伸ばしていくことが必要である。このような教育が実現することにより,各人が,かけがえのない人生を充実感を持って送ることが可能となり,それはまた,地方分権が進む中で,各地域が特色を発揮しながら発展すること,ひいては,我が国の社会全体の活性化にもつながるものである。このような観点から,今後,以下の方向で施策を検討すべきと考える。

 ○ (略)

 ○ 障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに応じた教育の充実

 ↓

[最終報告]
 3 教育振興基本計画に盛り込むべき施策の基本的な方向・・・削除

 

[中間報告]
 (参考)計画に盛り込むことが考えられる具体的な政策目標の例

 「2 教育振興基本計画の基本的考え方」及び「3 教育振興基本計画に盛り込むべき施策に関する基本的な方向」を踏まえ,「学校が良くなる,教育が変わる」ことを実感できるようにするため,いろいろと困難な課題はあるが,より具体的には,例えば,以下のような国民に分かりやすい政策目標を計画に盛り込むことが考えられる。

 ○ (略)

 ○ 学習障害(LD),注意欠陥/多動性障害(ADHD)等への教育的対応を含めた特別支援教育体制の構築を図る。

 ○ (略)

 ↓

[最終報告]
 (参考)今後の審議において計画に盛り込むことが考えられる具体的な政策目標等の例

(1)信頼される学校教育の確立

 @一人一人の個性・能力を涵養する教育の推進

 ○ (略)

 ○ (略)

 ○ 学習障害(LD),注意欠陥/多動性障害(ADHD)等への教育的対応を含めた特別支援教育体制の構築を図る。

 以下略

 

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13 障害者への施策について(平成15年2月24日 質疑)

 埼玉県議会ホームページ、「平成15年2月定例会概要」のページから抜粋

 県は、彩の国障害者プランの下で、障害者への施策を積極的に推進してまいりました。このプランの最終年を迎え、新たな障害者プランの策定を進めていると聞いております。今後の障害者施策をどのように進めていくのか、知事の基本的なお考えをお伺いいたします。

 知事は今年の年頭の記者会見において、障害のある子供と障害のない子供が一緒に学ぶことを実現をするという、強い意向を示されました。障害の有無にかかわらず、同じように社会に参加をし、誰もが自立をして生活のできる社会を目指すという、ノーマライゼーションの理念に基づく施策であります。

 私は、全国知事会の会長である土屋知事が、他県に先駆け、学校教育でこの理念を実現をしようという考えを示されたことは、画期的なことであり、日本の将来のためにも大変意義のあることと考えております。

 本県に県立の盲・聾・養護学校が三十校設置され、現在四千二百名ほどの幼児、児童、生徒が在籍をしております。それぞれの学校で、特色を生かした教育が展開されていますが、在籍する子供たちは、地域や通常の小中学校とのかかわりが薄く、同世代の様々な子供たちとの交流の機会が少ないことが、以前から指摘をされておりました。

 国の障害者施策推進本部から、昨年十二月に今後の障害者基本計画が示されました。その冒頭に、「二十一世紀に我が国が目指すべき社会は、障害の有無にかかわらず国民誰もが相互に人格を尊重し、共生社会をつくる必要がある」と記されております。

 障害のある子供が、可能な限り様々な機会を通して地域社会の中で、共に生きていく力をはぐくむことは、大変重要なことだと考えております。障害のある子供とない子供が一緒に学ぶという、知事のお考えを実現するには、関係者の意識改革や財政的な負担が必要と思われますが、知事のお考えをお伺いいたします。

 また、障害のある子供とない子供が一緒に学ぶという教育を推進するに当たっては、文部科学省や市町村、そして学校現場などいろいろな意見を取り入れながら具体化する必要があります。多くの困難が予想されますが、今後どのように進めていくのか、教育長にお伺いいたします。

土屋 義彦知事

 私は知事就任以来、常に「障害者の幸せなくして県民の真の幸せはありえない」との強い信念のもとに、障害のある人もない人も共に安心して暮らせるよう、「彩の国障害者プラン」に基づき、障害者に対する様々な施策を積極的に進めてまいりました。

 これまで、私は「さわやかふるさと訪問」など機会あるごとに、作業所や障害者施設などの訪問を通じまして、多くの障害者の方々とお会いしてまいりましたが、重い障害がありながらも懸命に作業や訓練に取り組んでおられる姿に感動し、またそれを支えておられます職員や御家族の方々のひたむきな努力に、頭の下がる思いをいたしました。

 そうしたところから、新たな障害者プランにおきましては、ホームヘルパーやグループホームなどの整備はもとより、障害者の自立と社会参加を一層支援するため、働く場の確保や、道路・交通機関・建物のバリアフリー化など、障害者に配慮した環境づくりを進めてまいります。

 また、障害のある子どもとない子どもが一緒に学ぶことを実現することについてでございますが、私は、平成7年にインドの首都ニューデリー郊外にあるアマルジョティという障害者の施設を訪問した際、障害のある子どもとない子どもとが、共に学び共に遊ぶ姿を目の当たりにいたしまして、本当に感動いたしました。

 これこそまさしく、バリアフリーであり、こうした教育を、全国に先駆けて実現したいと考え、帰ってきて早速、当時の厚生省に話しをいたしました。厚生省は賛成してくれましたが、文部省の理解が得られなかったようなわけでございます。

 私は、インドにおける感動を、県内の関係者にも理解をして欲しいと考え、翌、平成8年10月に、アマルジョティの施設長であるウマ・トゥーリ博士御夫妻を埼玉県にお招きいたしまして、教育関係者に対しまして、直に博士のお考えをお示しいただく機会を設けました。

 21世紀を担う子どもたちが、障害のあるなしに関わらず、共に学ぶことによりまして、お互いの存在を認め合うことは、障害のない子どもたちに心豊かで思いやりのある心を育てるとともに、障害のある人たちを地域全体で支えあう福祉社会づくり、ひいては世界の平和の実現にもつながるものと確信をいたしております。

 この施策について、年頭の記者会見において発表いたしましたところ、実現を期待する励ましや支援の大きな声が、県内外から、いや全国からも寄せられました。私は、その反響の大きさに驚くと同時に、改めて、この施策の重要性を再認識をいたしたところであります。

 なんといっても、重要なことは、教育現場のみならず、社会全体の意識改革であります。障害があろうとなかろうと、相互に人格を尊重しあうことが、今ほど重要な時はありません。障害のある子どもを「よその子」と思わず、「うちの子」「自分の友だち」と意識するような、子どもの頃から、心のバリアを持たない教育、社会づくりが大切でございます。そして、多くの方々に、「自分の子どもに障害があったとしたら。」、という視点に立って考えていただきたいのであります。

 もちろん、この実現には大きな困難が伴います。しかしながら、私の政治信条として、何とかして実現したいとの思いは、さらに強まっております。教育委員会における具体的な検討を踏まえながら、実現に向けた取組みを、一歩一歩進めてまいりたいと考えております。

稲葉 喜徳教育長

 まず、「障害のある子どもとない子どもが一緒に学ぶこと」についてでございますが、子どもたちが共に育ち、共に学ぶというノーマライゼーションの理念を実現するためには、御指摘のとおり多くの困難が予想されるところでございます。

 現在、教育局内に検討会を設置し、児童生徒の学籍や教員定数、施設設備の整備、介助員の雇用、市町村との費用負担など、想定される課題の整理作業を精力的に進めております。

 平成15年度には、これを基に、学識経験者や市町村関係者等からなる特殊教育振興協議会の場におきまして、ノーマライゼーションの理念に基づく教育の在り方について、協議をお願いすることとしております。

 先ほど知事から御答弁申し上げましたように、障害のあるなしに関わらず、相互に人格を尊重しあうことが、極めて重要なことと存じますので、教育委員会といたしましては、関係部局や市町村教育委員会と緊密な連携を図りまして、ノーマライゼーションの理念に基づいた教育の推進に、鋭意取り組んでまいります。

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14障害児教育について(平成16年2月26日質疑)

 埼玉県議会ホームページ、「平成16年2月定例会概要」のページから抜粋

Q.

埼玉県は、土屋前知事が全部の障害児を普通学級に在籍させるという、いわゆる二重学籍論を強力に提唱したことが契機となって、平成十五年度埼玉県特別支援教育振興協議会を設置して、ノーマライゼーションの理念に基づいた教育の在り方について検討をされました。
検討結果は、平成十五年十一月二十日に県教育委員会に報告されています。
埼玉県における普通学級に在籍している障害のある児童生徒の数は、特別支援教育課の調査によりますと、平成十五年五月一日現在で一千百十一名であります。
埼玉障害者市民ネットワークの調査では三千名となっています。
世界の国々の障害児教育の流れは、同じ教室の中で、障害のある子もない子も一緒に育ち学ぶというインクルーシブ教育へと大きくシフトしています。
まず最初に、土屋前知事が提唱した分離教育から統合教育へと埼玉の障害児教育を改革する二重学籍論が、なぜ分離教育を中心に交流教育を促進するというしりすぼみになってしまったのか、そのあい路について伺います。
(以下略)

A.稲葉喜徳教育長

二重学籍論が、なぜ分離教育を中心に交流教育を促進するという内容になってしまったかについてでございますが、特別支援教育振興協議会からは、盲・ろう・養護学校や特殊学級における教育と、通常の学級における教育のそれぞれの利点を生かす中で、ノーマライゼーションの理念に基づく教育を推進するという報告をいただいたものでありまして、障害児教育において新たな一歩を踏み出すものと理解しております。
(以下略)

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15 平成152月県議会定例会知事提案説明要旨(平成15年2月説明)

 静岡県ホームページ「ようこそ知事室」中、県政運営方針のページから抜粋。

<養護教育の充実>

 養護教育の充実につきましては、盲・聾・養護学校と小・中・高等学校の子どもたちが、宿泊をして自然体験を行う交流活動を東・中・西部地区で実施するとともに、静岡南高等学校内に、静岡北養護学校高等部の分校を平成164月に開設するための準備を行うなど、障害のある子どもと障害のない子どもの交流機会を拡大し、「心のユニバーサルデザイン」を推進してまいります。

 今後、県立の知的障害養護学校高等部に重複障害学級を計画的に設置していくこととし、平成15年度は沼津養護学校、静岡北養護学校、浜松養護学校の3校に各1学級設置し、3年間で全9校に設置してまいります。

全国で初めて高等学校の余裕教室を活用して養護学校の高等部を開設

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16 教育は本当に変わるのか!? (平成15年10月全日本手をつなぐ育成会発行)

 社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会発行の機関誌「手をつなぐ」平成15年10月号より許可を得て抜粋。

教育は本当に変わるのか!?
− 通常学級での教育の保障を前提として −

 2003年(平成15年)3月に特別支援教育のあり方に関する調査研究協力者会議による「今後の特別支援教育のあり方について」の最終報告が出されました。

●一番大きな変化

 これまでは障害のある生徒には、特殊教育と呼ばれるものが、特別の場においてのみ保障される、とされてきました。しかし今回の報告では、場所によって教育を変えるのではなく、障害のある生徒の教育的ニーズに応じて、適切な教育的支援を行う「特別支援教育」に転換されることになりました。

 これまで通常学級に在籍していて、特別な支援を必要とするにもかかわらず、放置されていたLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、高機能自閉症などの生徒に対して、その教育的ニーズを把握し、対応することが重要であるとされている点は、評価できるものです。しかし「児童生徒の実態等に応じて弾力的に教育の場を用意する…」というあたりを見たとき、実態に応じて別室へ連れて行かれると、読み替えてしまいそうになるのは、親の立場の危惧に過ぎないでしょうか。ここで実態に応じて弾力的に教育の内容を用意するとなっていれば、どんなに安心かと思います。

 また実際にはこれまでは1%の児童生徒を対象としてきた障害児教育が、今後は約6%という莫大な人数を対象としていくことになります。しかし多くの学校で1年または数年で個別支援級の担当が交代していくケースが多いという現実があります。今後は個別の教育支援に積極的にかかわっていく教員の大幅増が必要となります。

 通常学級の側から見ると、これまで何らかの問題を抱えていた児童生徒を、その問題ゆえに、問題を抱えていないと考えられている母集団から、切り離す方向に行くのではないかと心配です。そうではなくて一人ひとりに応じた教育だと言われれば、そうなのかと思いますが、レッテルを貼ることで、これまで以上に母集団での生活がしにくくなることのないように、学校や社会全体が配慮することが重要です。

●特別支援教育を支えるもの

 質の高い教育的対応を支える人材として、OT(作業療法士)、PT(理学療法士)、ST(言語療法士)などをあげ、また保護者の役割にも触れている点も、こうした人材を巻き込んで「個別の教育支援計画」を作り上げていくことになっていけば、本人たちにとっても望ましい方向といえます。ただここで言われている「特別支援教育コーディネーター(仮称)」の実像がつかみにくく、現実に機能することが可能なのか、また、学校設置者が異なるだけで、これまで交流すら難しいといわれてきた現状を考えると、養護学校を地域の特別支援教育のセンターとするという点についても、具体性に乏しいと言わざるを得ません。

 そして地域の総合的な教育的支援体制の構築という点も、これまで必要であることは誰もが認めていても、なかなか一歩先に進めなかった、関係各機関が連携できる出発点としては有効です。ただ実際には「個別の教育支援計画」一つ一つに対して、それぞれが連携することが必要なわけで、連携という体制が組織同士や個々人の責任のゆずりあいなどになってしまうのでなく、互いに責任を取っていこうとする場となっていくことで、初めて意味を持ってきます。

●親の心配と願い

 私たちの子どもが特別なニーズを持ちながら、他の子どもたちと同じようにともに地域に生きているのは、それが本来の社会のあり方だと考えるからです。

 同じニーズのある人同士をひとところにまとめて面倒をみようとする態度は、一見理にかなっているようではありますが、実は異質のものを排除するという、差別的な考え方を含んでいます。また、同じような子どもであれば同じような内容で指導できるので、効率的なようですが、私達に本来大切な、さまざまな角度からの視点や多様な考え方などが持ちにくく、結果として効果の少ない内容に終始することにもなります。

 子どもの障害が軽度であればあるほど、通常学級での居場所感がもてず、個別支援級に移ってきて、生まれ変わったように自信を取り戻したとか、養護学校に転校して、ハッピーになったという話を聞くことがままあります。その考え方でいくと、障害の重い人は一体どこで自信をつけたり、ハッピーになったりすることができるのかと、問いただしてみたくなります。現在の評価システムでは、ゆっくりだけれど一生懸命とか、決められたことは必ず実行するといったある種の誠実さや、楽しいことに対して特別な笑顔を見せてくれるといった成績とは別の価値を大切にすることができなくなっています。道徳の授業で「いじめ」について学び、お年寄りに親切にしましょうといくら呼びかけても、現実にそうしたことが評価されず、何をしていても点数さえとればOKな世の中、本当に教育を変えたいのならば、一人ひとりかけがえのない存在であるということを、一番身近な大人である教員が示せるような環境づくりに本気で取り組んでほしいものです。今回の動きが通常学級の運営が難しくなってきたことを回避する、母集団のための理論となってしまわないよう、通常学級そのもののあり方にも、学級定員数を含めて、改革が望まれます。

 また、今後の教育というものが、継続性の中で考えられなければならないということにも注目しなければなりません。ここで継続性というのは、通常学級の中で行われている教育と、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズにあわせた教育は、独立した別個のものではないということです。そういった意味でもこれまで以上にいわゆる特殊教育の教員免許を持った教員だけでなく、主として通常学級でやってきた一般の教員免許のみをもつ教員の、資質の向上が必要となります。教員とは、一人ひとりのニーズにあわせて創造性を必要とする、やりがいのある職業であることを改めて確認したいものです。

 さらに特別支援教育コーディネーターについては、その任に適した人材を各学校に速やかに配置し、一人ひとりのニーズに応じて最大限通常学級での教育を保障すること、またそうした教育環境を整えるべく、養護学校が地域のセンターとしての役割を果たすための法的な条件整備、を速やかに進めてほしいものです。

☆本文は編集委員会で検討され、まとめられたものです。

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